進行性核上性麻痺の父が介護保険につながるまで【前編】家族がザワついた初期症状とは

進行性核上性麻痺の介護

こんにちは!進行性核上性麻痺の父を姉妹たちと介護している、次女のケアマネジャーちゅうちゃんです。
 

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

進行性核上性麻痺は、これといった治療方法の無い神経難病
 

パーキンソン病の症状や認知症など、他の病気と同じ症状が出てきます。
 
表情も乏しく動作も緩慢になり、病気のすすみとともに体の状況に見合ったケアが必要になってきます。

 

 

父の進行性核上性麻痺の発症時、父は認知症の母(要介護5)の在宅介護中
 

今思えば父の異変は、私たち四姉妹のダブルケア・トリプルケア…の入り口だったのです。姉妹のなかには義理両親の介護もしている姉妹も。
 
 

この記事では、両親の健康と姉妹みんなの生活をなるべく波風立てずに両立するために私たち四姉妹が動いたことの実録とポイントについて 、前編と後編に分けて紹介します。
 

今回は前編として、家族がザワついた初期症状についてお伝えしますね。

進行性核上性麻痺の父について家族がざわついた初期症状とは?

アルツハイマー型認知症の母を見てきた私たち四姉妹にとって、父の症状については最初から違和感がありました。頻繁で派手な転倒ぶり等から、ただの老化じゃない何かを四姉妹でうっすらと感じていました。
 

簡単に言うと、初期症状は認知症歩行障害
 

認知症のような症状としてはこんなことが。

  • 思考が回っていない
    物事を忘れちゃう…というより、やらなくてはいけないことができずどんどん溜まっていくかんじでした。
  • 言葉がでにくい
    もともと寡黙なタイプの父でしたが、しゃべりにくそう。表情がなんとなくちがう!
  • 元気がない
    外出は最低限になり、身の回りのことに気を使わなくなってきた。
  • 匂いが分からない
    母の介護で尿臭が漂っていても、「分からないんだ」と。
  • 目の焦点が合いにくい
    気を付けないと、階段の昇り降りもしにくい。

 
 

加えて、歩行障害としてはこんな風に。

  • 転ぶ
    段差がなくてもバランスを崩すかんじ。
  • 歩き方がやや特徴的
    前に何かに引っ張られているように歩くかんじ。
  • 転び方は目に見えてだんだん派手に
    後方にお地蔵さんを倒したように、とか木が倒れるようにという表現が近い感じ。


父に起きたことを詳しくご説明する前に、進行性核上性麻痺の病気の特徴から簡単にお伝えします。

進行性核上性麻痺の病気の特徴とは

 
進行性核上性麻痺は、指定難病の一つ
人口10万あたりに数人、比較的まれといわれている病気です。

進行性核上性麻痺の病気の特徴は、

  1. 転びやすさ歩行障害動作障害
  2. 眼球運動障害
  3. 構音障害嚥下障害
  4. 認知症

 
詳しくは、難病情報センターのページをご覧ください。

https://www.nanbyou.or.jp/entry/4114

 
進行性核上性麻痺の代表的な初期症状はこのうちの二つ。

  • 歩行障害
    なぜかよく転ぶ・足がすくむ
  • 人が変わったようになる(性格変化)
    だらしなくなる 思考が遅くなる 抑制がきかなくなる

 

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

父の症状ともピッタリです(;’∀’)

 

では、父に起きたことは何だったのか、具体的にご説明します。

父に起きた異変とは?高齢にありがちな症状だけど何かが違う!

 
病気の正体がわからない発病当時は、父の異変について不安が募るばかり。
 

姉妹で情報をつなぎ合わせて、その日の母の介護と父の危なっかしさへの対策にまさに2枚の皿回し状態でした。
 
 

父に起きている異変の「認知症らしい症状」、「転倒しやすい」は年を重ねることが原因で起こりえることでもあります。
 

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

病院では、たくさんの患者のなかの一人の高齢者。

変化の内容をちゃんと伝えないと正しい診断につながらないこともあります。

認知症と一口にいっても、治療でよくなる病気の場合も。


診断前の初期症状1:まるで認知症?

表現しにくいのですが、父の認知症と思しき症状は、母の症状とはだいぶ印象がちがいました。忘れるというよりも表現に時間がかかるというような印象。
 

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

進行性核上性麻痺は心も体も動きが悪くなることから始まると言っていいかも。

 

四女けろたん
四女けろたん

わかっているけど、できない…みたいな感じだったよね。

父の異変でまず現れたのは「意欲の低下

  • 身のまわりのことに気を使わなくなった
    →無精ひげが出現
  • 電話を自分からかけなくなった
    →人と交流する機会が減少
  • 外出が減り、ぼーっとしている感じ
    →大事な手続きなどが滞る

こんな感じでした。

進行性核上性麻痺の診断をしてくれた神経内科の先生からはこのようにいわれました。 

これを「発動性の低下」といいます。
 
意欲という心理的なことだけでなく、身体的なことを含めて自分から動くこと、表現することが難しくなります

 
そして日常生活の中でも支障がいろいろ。

今までにはあり得ないエピソードが毎日のように。

四女けろたん
四女けろたん

(当時同居)お母さんと二人で転んだみたいで、私が発見するまで二人でずっと倒れてた
 
このあいだは日が暮れて暗くなっても電気もつけないでお母さんとソファに座ってた。声も小さいし、しゃべりにくそう。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

えーっ!この間も転んで起き上がれなかったみたいだよ。このままだと大変なことになるかも。

 

三女もよ
三女もよ

お父さん、顔つきが前とちがう。上唇がひきつったみたいになってない?
 
固定資産税の督促があったし火災保険の更新もしてないみたい 。今まであんなに几帳面だったのに…

 

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

(当時他県在住)最近、お父さんから電話がかかってこなくなった
 
会話も続かなくなってきた気がする。

 

三女もよ
三女もよ

目の焦点が合わなくなってきて、階段の昇り降りも注意しないと危ないって言ってた。

 
父自身も、体が動きにくいとか物忘れがあるとか気付いていたと思いますが、「大丈夫」と繰り返すばかり…( ;∀;)
 
 

 
進行性核上性麻痺の診断がはっきりするまでは、父に起きていたことにどう対処していいかわかりませんでした。
 
 

次に、転倒の症状についてです。
 

診断前の初期症状2:謎の転倒が続けざまに!

手足のふるえはあまりないけど、ちょっとパーキンソン病のような歩き方にも見える。
 

転倒の仕方はがドーンと派手
 
お地蔵さんを倒したよう。段差などが無くても見えない何かに引っ張れたかのようにドーンと後ろに倒木(^▽^;)していたりするのです。
 

進行性核上性麻痺の診断をしてくれた神経内科の先生によると・・・

これは前頭葉機能障害の特徴です。何度も転ぶけど懲りないでまた転んでしまいます。
 
転倒するとき体幹が固く手が出ない。意外に後頭部を打ち付けず大けがにならないことも多いですが、くれぐれも転倒しないように気を付けましょう。

 
父の転倒は父本人から聞くことはほとんどなく周辺からの情報がほとんどでした。

 
そう、父は周囲がひいてしまうほどの転倒を繰り返しつつ、驚くほど楽観的でした。
 
転んでは立ち上がり傷の絶えない日常生活をおくっていたのです。
 

ときには自慢げにあざを見せたりすることも…なぜか明るい態度の父に戸惑いました(;’∀’)
 
 

進行性核上性麻痺の人は多幸的な傾向を示すといわれています。
 
「調子はどうですか?」と尋ねるとたいてい「調子はいいです」といいますよ。そのぶん怖いもの知らずで転倒を繰り返します。


何度転んでも日常生活での行動をがんばってしようとする父。外出しているときくと無事に帰ってこられるかヒヤヒヤものでした。
 

動作が少なくなったり遅くなったりしている反面、行動を変えずに実行にうつす父…。
 

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

前頭葉機能障害では自分で行動を抑えられなくなるそう。ずっと行動を見張っていることは不可能なのがこの病気のケアの難しいところだよね。

 

三女もよ
三女もよ

ドーンと倒れるのに、歩けなくなるような骨折や外傷、意識レベル戻らない脳のダメージ等の致命的な大けがにならなかったのは奇跡のよう。

 
もよとケロたんが、幼児用の一般的な転倒予防グッズなどを準備、急いで対策してくれました。
 

転倒対策については、他の記事でも詳しくお伝えしますね。

 

続いて、家族の緊急事態について姉妹で考えたことについてです。

母の介護の司令塔だった父に起きた異変について姉妹で考えたこと

姉妹で考えたことのポイントはこの4つでした。

ポイント
  1. 自分や家族だけで頑張るよりも介護保険や難病・障害の制度を利用する
  2. 医療や介護の専門職の皆さんの知恵やケアの手をお借りする
  3. いつも体の状態を明らかにする(主治医に定期受診する)
  4. 病気のすすみはあっても体をよい状態にキープする(ケアやリハビリ)

 
四姉妹はLINEで意見交換しながら、共通認識をもって父の異変に立ち向かっていくことになったのです。
 

四女けろたん
四女けろたん

日中の生活の様子が心配。口の動きが悪いということは食生活も質が落ちてる可能性も。ちゃんと食べられてるか心配…。

 

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

お父さんももうすぐ80代。加齢による認知症の可能性が高いけど認知症をひきおこす病気はさまざま。治るものなら治療に取り組んでほしい!


こうしている間に、事故で父がなんとかなってしまうかもしれない…!?
 
気が気でない日々を乗り越えるための最初のステップはこの二つと決めました

  • まず病気の正体を突きとめて、必要な医療につながる!
  • 介護体制づくりのため、介護保険認定申請をする!

 
これらの詳しいお話は、続編の記事でお伝えします。

 
では、進行性核上性麻痺の初期症状について、我が家の場合をもとにお伝えしたいことをまとめてみましょう。

まとめ

進行性核上性麻痺の特徴

  1. 転びやすさと歩行障害・動作障害
  2. 眼球運動障害
  3. 構音障害・嚥下障害
  4. 認知症
進行性核上性麻痺(指定難病5) – 難病情報センター

★父に起きた出来事

①認知症のような症状

  • 思考が回っていない?
    物事を忘れちゃう…というより、やらなくてはいけないことができずどんどん溜まっていくかんじでした。
  • 言葉がでにくい
    もともと寡黙なタイプの父でしたが、しゃべりにくそう。表情がなんとなくちがう!
  • 元気がない
    外出は最低限になり、身の回りのことに気を使わなくなってきた。
  • 匂いが分からない
    母の介護で尿臭が漂っていても、「分からないんだ」と。
  • 目の焦点が合いにくい
    気を付けないと、階段の昇り降りもしにくい。

 
②転倒

  • 転ぶ
    段差がなくてもバランスを崩すかんじ。
  • 歩き方がやや特徴的
    前に何かに引っ張られているように歩くかんじ。
  • 転び方は目に見えてだんだん派手に
    後方にお地蔵さんを倒したように、とか木が倒れるようにという表現が近い感じ。

 
以上、『進行性核上性麻痺の父が介護保険につながるまで【前編】家族がザワついた初期症状とは』の記事でした。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

姉妹で動いた診断と介護保険申請については、後編の記事に執筆中です。しばしお待ちくださいませ(^-^)

 
父の病気が発覚してから現在(要介護5)までの経過は、こちらの記事にまとめています。
お時間あれば、ぜひご覧ください♪
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