こんにちは!
進行性核上性麻痺の父を妹たちと介護している、四姉妹の長女ゆるねえです。
介護福祉士の資格をもっています。
誤嚥性肺炎から一年経ち、病気の進行はありますが、辛そうな顔より、穏やかな表情が増えました!(^^)!
体調が良いと、手を挙げたり、話しかけたら目尻がクシャっと笑っている表情になります。
でも一年の間には様々な出来事が次から次へと(;´д`)
これでよいのか思い悩みながらの試行錯誤の毎日です。
父の現在の様子や穏やかに暮らすケアのポイント5つの記事はこちら。
今回は退院後の一年間の試行錯誤からたどりついた、穏やかに暮らすポイント5つの中のひとつ、食べる時の姿勢についてです。
お伝えしたいことは、この3つ!
- 食事の姿勢を調整(シーティング*、ポジショニング)した効果
- 食事の姿勢を調整する際のポイントとは?
- 車いすとベッド上の食べる時の実際の姿勢をご紹介!(写真付き)
実際の姿勢も写真でご紹介していますが・・・父には了解取れないので、姉妹がモデル(;^_^A)
現在父に穏やかな表情や生活がある今だからこそお知らせしたい情報です。
ふらつきながらの低空飛行ですが、食べたいという意欲は今も感じます。
あくまでも父の場合ですが、少しでも参考になればうれしいです。
ではまず、父の場合、食事の姿勢を調整したらどんな効果があったのか簡単に触れますね。
食べる時に食事の姿勢を調整したらどんな効果が?
父は話すことができないので見た感じなのですが…
食事の姿勢を調整したら、このような効果が!!
- 体の緊張がなく楽そうに見える
- 飲み込みがスムーズになった
- 食べ物を口からこぼさなくなった
- むせが減った
- 11か月間、37.5度を超える熱はなし
もちろん、栄養、食事介助法が改善された等の別の要因も深く関わっていますが 、食事の姿勢を調整した効果はかなり大きいです。
(他の要因は穏やかに暮らすポイントとして別記事にてご説明します♪)
次に食べる時の姿勢調整のポイントをご紹介します。
病状に合わせて食事の姿勢を調整する際のポイント
父が楽に食べられる姿勢は
あごを引き、両腕全体を支え、足をしっかり踏ん張れるように安定させる姿勢!
この姿勢を取るための、食べる姿勢を調整するポイントはこちらです。
このポイントを訪問介護のヘルパーさんにも共有してもらいました
ではなぜこの姿勢がいいのでしょうか。
実際の写真をご紹介する前に、この病気の症状と理由をお伝えします!
進行性核上性麻痺の父 食べる時の姿勢が大事な理由は?
理由をお話する前に、食べることに関係する進行性核上性麻痺の症状を簡単に説明しますね。
進行性核上性麻痺の症状
食べることに関係してくる主な症状はこちら。
- 摂食嚥下障害
飲んだり食べたりすることに何らかの障害があること。
- 頸部後屈
体幹や頸部(首)が硬くなる。進行性核上性麻痺は特に頸部後屈(首が後ろに傾く)が強く見られる。
- 姿勢反射障害
姿勢を立て直すことができない。座っている時も斜めに傾いたり前後に倒れる。
※詳しくは、こちらの「難病情報センター」の記事をご参照ください。
父も、誤嚥性肺炎になる半年以上前から、この症状がゆるやかに出始めました。
廃用症候群でもおきる事なので見極めが難しいですが(;’∀’)
では、もしこの症状があるのに、食べる時の姿勢を調整せず食べたらどうなるのでしょうか。
症状にあった食べる時のシーティングをしないとどうなる?
症状に合った食べる時のシーティングをしないとどうなるのでしょう。
座った時左右の傾きを直さなかったら?
バランスをとるために首に力が入り、首にある嚥下に関連する筋が嚥下時にうまく機能しなくなるそうです。
全身の筋肉も緊張して拘縮(*)が進んでしまいます。
座面が高く足が宙に浮いていたら?
両足が不安定な場合もバランスを保とうして身体の緊張、こわばりが進み、うまく嚥下できない。
かかとまでしっかりと接地させます。
次の写真は足が宙に浮いている悪い例です。
突然ギョッとする服装で登場してすみません(^^;
身体の状態が分かりやすいように、私が筋肉が描かれたコスプレ衣装を着てモデルになってみました!
両腕が下がったままだと?
片腕は体重にもよりますが、2~4キロもあるそうです。
筋力のない人は腕の重みだけでも辛い。緊張するし呼吸がしづらくなります。
だらんと腕が下に落ちたままにせず、腕の重みをとりのぞき胸を広げ呼吸をしやすくすることで、上半身がリラックス。
むせても強く咳をして吐き出せます。
あごがあがったままだと?
咽頭から気管に物が入りやすくなります。
こちらの写真は、あごがあがったままの悪い姿勢です。
お腹が折れ曲がった姿勢だったら?
胃やお腹の内側の圧(腹圧)が上がってしまい、食べ物が食道へ逆流しやすくなります。
(病気の進行、高齢、廃用症候群により胃や食道の動きが悪くなり、胃の内容物が十二指腸に送られるのが遅くなっている)
腹圧があがらないようにリクライニング角度を調整したり、骨盤を立たせ、股関節を曲げるとき膝があがりすぎないようにします。
こちらは、腹圧が上がっている悪い例です。
分かりにくいかもですが、内臓が縮こまっています。
このような理由で、食べる時の姿勢はとっても大事!
病気の進行はあるでしょうが、ケアする側ができることを考えていきたいですね。
次に実際の食べる時の姿勢を、車いすとベッド上に分けて写真でご紹介しますね。
車いすとベッド上の食べる時の姿勢をご紹介!
車いすとベッド上の食べる時の姿勢(シーティング)をご紹介します。
まず、車いすから。
車いすで食べる姿勢(シーティング)
足は、お道具箱に滑り止めを載せた上にタオルを積み重ねて、ちょうどいい高さに調整。
ここに至るまでに、いろんな台を試しましたが、今はこれがベスト。
両サイドのクッションで、傾きがなくなったね。
とっても楽そう。症状や体つき(背骨が湾曲、麻痺等)にあったシーティングをするんだね。
ヘッドサポートの頭部にかかる圧は、ストレスだよ。
頭部だけではなく背中全体で支えてもらうと圧が消えて気持ちいい!
足もフラフラしていると不安だね。かかとまで接地したら安心。体験するって大事だね。
ベッド上で食べる姿勢(ポジショニング)
ケアマネを中心に在宅サービス(訪問医療、看護、介護、福祉用具専門相談員)の専門職に相談できますよ。
もちろん姿勢調整のためのクッションやタオルの選び方、使用方法も聞いてみましょう。
参考にしていた本はこちら、シーティングやポジショニングが写真付きでわかりやすい。バイブルのような本。
こちらは食べる時の姿勢や、誤嚥性肺炎予防のポイント等が盛りだくさん。こちらもバイブル。
おまけでお伝えしますと、座って食べることは下記のメリットがあるのです。
座って食べるメリットは
座って食べることのメリットはこちら!
- 視界が広がり、生活のリズムが作れる
昼夜のメリハリがつく
眠気による食欲低下や誤嚥の防止になる - 筋力低下を防ぐ
重力による身体の重みで背部、腹部、頸部の筋量や筋力を維持できる。
便秘改善や寝たきりによる拘縮の防止、血行もよくなる。 - 呼吸がしやすい
むせても大きく咳ができ吐き出せる。
と良いことばかりですが、無理に起き上がることで疲れたり、身体の緊張が進んでは逆効果!
身体にあわない椅子や体つきによっては皮膚状態や拘縮が悪化する可能性も。
体力や体調が整っているか在宅サービスのスタッフの方々と相談しました。
部屋の間取りや広さ、段差等で、食べる時の姿勢を困難にする要因があることも。
本人の希望や基礎疾患、介護力も考えないと。座って食べられなくても、ベッド上でのポジショニングはしっかりしたいね。
本人、家族も含めて多職種で連携して工夫したいですね。
最後に、まとめてみましょう。
まとめ
この記事では、進行性核上性麻痺の父が穏やかに暮らすポイントの一つとして、「食べる姿勢」についてお伝えしました。
内容をまとめますね。
進行性核上性麻痺の父が食べる時のよい姿勢は・・・
「あごを引き、両腕全体を支え、足をしっかり踏ん張れるように安定させる」
この姿勢にするために調整する効果やポイントは下記の通りです。
◆食事の姿勢を調整する効果
- 体の緊張がなく楽そうに見える。
- 飲み込みがスムーズになった。
- 食べ物を口からこぼさなくなった。
- むせが減った。
- 11か月、37.5度を超える熱はなし。
◆具体的なポイントと調整方法
ポイント1:身体の左右のバランス調整
左右に傾くと、筋緊張が進み、頸部後屈、姿勢保持困難の症状が悪化。首の嚥下に関する機能も低下。
クッションやタオルで隙間を埋めるように全体で支えましょう!
ポイント2:両足の裏全体を接地
両足が不安定だと身体の緊張、こわばりが進み嚥下機能も低下。
椅子、車椅子なら足台で、ベッド上ならクッションやタオル等で両足の裏全体を接地させます。
ポイント3:両腕の重みをとる
重みを取ると呼吸がしやすく、むせても強く咳をして吐き出せる。
脇を軽く開き、肘をテーブルに乗せ、腕をクッションで支えましょう。
ポイント4:あごをひく
あごがあがったままでは咽頭から気管に唾液や食べ物が入りやすくなる。
クッション、タオルで調整すします。
ポイント5:腹圧を上昇させない
腹部が折れ曲がり内側の内圧が高まると胃からの逆流のリスクが!
膝、足が上がりすぎる、浅い座り方も原因の一つ。
リクライニング角度、食べる時の姿勢を調整しましょう。
むせた経験は誰にでもありますよね。私もよくむせるんです。
特におしゃべりしながらの食事、寝転んでおやつを食べた時(;^_^A。
考え事をして上を向いた瞬間に唾液でむせたことも(-_-;)
食べる時の姿勢は大事ですねー(深くうなずく)
以上、『進行性核上性麻痺の父が穏やかに暮らすための「食べる時の姿勢調節」はどうしてる?』でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
進行性核上性麻痺の父の経過をまとめた記事はこちらです !
発症から今まで、いろんなことがあったなぁ・・・
まだの方はぜひご覧くださいね。
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