「在宅介護の転倒事故の対策は?」
「転倒予防で役立ったグッズを知りたい!」
こんにちは!四人姉妹で在宅介護している、三女のもよです。
父が患う進行性核上性麻痺は、「転倒しやすい」のが大きな悩み。
我が家の父は、要介護5。
今でこそ自力で動くことがほとんど出来ませんが・・・
自分で歩けた時は、転倒との闘いの日々と言えるほど、1日に2度3度転んでました(>_<)。
この記事では、父の「転倒対策」について、経験談を写真付きで詳しくお伝えします。
効果があった対策の他、今一つ効果がなかったことも書きました。
あくまでも我が家の場合の事例です(^-^)
転倒しやすい高齢者の介護に、少しでも参考になれば嬉しいです!
では、早速、我が家の転倒対策をお伝えします。
進行性核上性麻痺の転倒対策グッズ等 我が家の場合
進行性核上性麻痺の父が自分の足で歩けた時、転倒対策として取り入れたのはこちら!
- 手すり設置
- クッション材やマット、靴下等の市販グッズ
- カメラモニター
- 段差を減らす住宅改修
- 椅子の滑り止め
- 四点杖
- 帽子
- お風呂で使える介護用椅子(シャワーチェア)
役に立ったものがほとんどですが、いまいちだったものも(^^;
訪問リハビリも行っていたけど、病気の進行とともに、モノで防ぐことも増えていきました。
では、役に立ったもの(こと)から、詳しく見てみましょう!
手すり設置
自分で歩ける時に、一番頼りになったのは室内の手すり!
歩きながら急にぐらりと倒れるので、本人も怖さがあるのか、手すりにはよくつかまってくれました。
木が倒れるみたいな派手な倒れ方だったよね
病気の進行とともに、手すりの数も増えていき・・・
- 廊下(壁に横長に)
- トイレやキッチン、洗面所等の出入口(壁に縦長に)
- 玄関(天井から床までの突っ張りタイプ)
- 布団のそば(小さいタイプ)
- ソファーの前と横( 〃 )
- お風呂の中
自分で歩ける間は、家じゅうが手すりだらけでしたが、、、
手すりさえあれば家の中を自由に歩けていましたよ。
手すりは、始めはレンタルを利用。
なぜかというと、父自身が、病気の初期は工事に前向きでなかったんです。
レンタルだとすぐに取り付けられ、取り換えも可能なのでOKしてくれました。
ソファーの前と横に設置した手すりはこんな感じです。
(写真が見づらくてすみません!)
手すりがあると安心して動けることを実感してもらってからは、壁に取り付けるタイプにしました。
倒れたりぐらついた危険があった場所について、福祉用具会社の人に相談に乗っていただきながら決めました。
使い勝手や高さ等は、父本人にも意見を聞きましたよ。
足はふらつくんだけど、手で握る力は維持できていたよね。
手すりにちゃんとつかまってくれさえすれば、手で踏ん張れるので転倒は防げました。
クッション材やマット等の市販グッズ
転倒した時に怖いのが、頭を強打すること!
危険そうな家具の角や柱、床に保護材を取り付けました。
家具の角や柱に取り付けたのはこんなもの。
小さい子供がいる家庭でよく使われるようなグッズです。
なるべく厚めの、クッション性の高いものを選びました。
転びやすい床には、タイルタイプの「置くだけカーペット」のようなものを敷きました。
まず敷いたのは、キッチンの冷蔵庫の前と、ベッドから立ち上がる時の床面。
段差があると転ぶ原因になってしまうので、なるべく薄手でずれにくいものを選びました。
それでも、めくれたところに足が引っかかる等、課題はありましたよ。
危険な箇所は病気の進行とともに増えて・・・。
何度も買い足して、設置場所を追加していったよね。
加えて、靴下も工夫が要りました。
滑って転ばないよう、足裏に滑り止めがついているものを買いましたが、滑り止め加工がしっかりしすぎているとかえって一歩が出にくかったり、前に転びそうになる(;’∀’)
床材に合った、適度な摩擦力(?)のものを、都度買っては試してました。
足指の踏ん張りがきくように、5本指靴下も試したよね。
これといったおススメはないけど、締め付けすぎず、滑りすぎずのバランスで選んでました!
カメラモニター
いちばん転びやすかった当時は、四女のけろたんが父と同居。
でも、けろたんが仕事で不在の日中は、家には父一人!
家に帰ると転んで倒れたままになっていることが何度も!
いつもドキドキだったなぁ
そこで、防犯用のカメラモニターを取り付けて、四姉妹がスマホでチェックできるようにしました。
業者さんに頼むような高価なものでなく、Amazonで売っていた4千円位のものをチョイス。
取り付けたのは、三女もよの夫。
上下左右に広い範囲で動かせて、見たいところに動かす操作もスマホのアプリから簡単にできます。
ちなみに、スピーカーもついているので、いざという時の声掛けもできます。
実際に取り付けたカメラモニターです。父の部屋の入口1ヶ所に設置しました。
お父さんがいない!とか、倒れてる!とかを察知するのに使えました。
危ない状況の時は、普段お世話になっている介護事業所やケアマネさんに連絡して、確認いただきました。
夜中の動きもチェックしたよね。
病気がかなり進んでから、夜中にトイレに起きだした時は、近くに住んでるもよが駆け付けたこともあった。
夜更かししてる孫たちにも、スマホで時々チェックしてもらったよ。
段差を減らす住宅改修
実家のマンションは古いので、リビングと和室の間等に段差が。
段差は父が歩くときに危ないので、将来の車いす生活も見越して、住宅改修を行いました。
カーペットのリビングと和室をつなげてフローリングに変更。
ビフォーの写真はこちら。リビングと和室には段差が4センチほどあります。
父の部屋をリビング側から見た写真。古い和室です(^-^)
アフターはこちら! 父の部屋(元和室)側から見た写真です。
段差をなくした他、引き戸もアコーディオンタイプに変えました。
フローリングの材質は、普及品の中から、なるべくすべりにくく車いすも操作しやすいものをチョイス。
マンションなので、防音性があるクッションが入ったL45というタイプ。
管理規約で決められているタイプですが、転倒時の頭の保護という意味でも多少の安心感がありました。
床の段差をなくす工事部分は、介護保険で補助の対象になりましたよ。
基本的には全額払ってあとから保険給付分が戻る形(償還払)で払います。我が家もそうでした。
受領委任払といって、自己負担だけ支払える業者さんもあります。
併せて、お風呂にも車いすで入れるよう、洗面所の入り口もアコーディオンドアにしました。
お風呂は、認知症で施設にいる母が帰宅した時に、家族だけでお風呂に入れることができるように工夫しました。
前の状態では、ドアがじゃまして脱衣所に車いすを入られられなかったんです。
住宅改修の業者さん選びは、別の記事にまとめたいと思いますが、、、
我が家では、2社に相見積もりして決めました。
業者さんは、実家のマンションに長年関わっていて慣れていて。採寸が要らず、管理組合への届けも自発的にやっていただけました。
また、行政への介護保険住宅改修費申請の手続きは、家族で行う必要がありましたが、申請に必要な書類をきちんと作っていただけました。
家族との打合せを最小限にして進めていただけたのは、介護と両立するうえでもとても助かった!
工事の間、父にはショートステイに行ってもらいました。
ショートステイが長くなると歩けなくなるリスクも高まります。
影響をなるべく少なくするため、父の部屋を工事する期間に限定して、ショートステイのスケジュールを入れてもらいました。
ケアマネさんにも大変お世話になりました。 感謝・・・
椅子の滑り止め
椅子に腰かけるときに滑らないよう、椅子の足にテニスボールを装着!
市販の滑り止めだと、どうも滑りすぎたり、ストップがかかりすぎたり…
テニスボールを椅子の足につけると滑り止めになると聞いてやってみたんです。
つけ方は、テニスボールを十字に切って、椅子の足にはめ込みます(笑)
特に、手すりが途切れる所(手すりを離れて食卓につく時等)に、サッと椅子を出して、まるで「移動式手すり」みたいにつかまってもらうのは助かった!
ただーし!
床がカーペットだった時(住宅改修でフローリングにする前)は滑らなすぎだったかも(^^;
特に、父が椅子の足の間に倒れこんでしまったとき、すごい姿勢で発見されたことがありました(;’∀’)
ご参考に紹介すると、その時のLINEの四姉妹グループはこんな感じ。
父が椅子の足の間に転んで、発見時に動けなくなっていた話です。
当時は床がカーペット。
テニスボールだと、椅子が固定されすぎてしまい、状況を悪くしたかも知れません。
でも、フローリングに変えてからは適度に動かしやすくて、かなり助かりましたよ!
以上、我が家の場合役に立ったといえるもの(こと)をお伝えしました。
続いて、微妙だったモノたちをご紹介します(;’∀’)
番外編!?ですが、人や場合によっては十分役に立つと思うので書いておきますね。
四点杖
父が一人で外に出るときは、手すりに頼ることはできません。
外出時に、少しでも支えにできればと、四点杖をレンタルして渡しました。
我が家でレンタルしたのは、この写真のタイプ。
父の場合、病気で認知機能が低下していて、怖さもあまり感じていなくて。
そもそも出かける時に持って行ってくれず(^^;
たまに持って行ってくれた時も、、、
晴れた日の傘みたいに手にもって歩き、地面につかずに持ち帰る始末!
役に立ったとすれば、杖を持っているということで、周りの人に危なっかしい人だと認識してもらいやすかった事位かな・・・(;^_^A
慎重かつ言うことを聞いてくれるタイプの人なら役に立つのでは…。
歩行の不安定アピールが主目的になってたけど、実は、デイサービスに前向きでない父が福祉サービスを継続する裏目的は果たしてた(^^;
ケアマネさんに関わってもらうには何らかのサービスを利用しなきゃならないからね
帽子
頭を強打しても守れるよう、頭を包み込むタイプの帽子を用意しました。
でも、杖と同じく、帽子を勧めても「大丈夫!」と断ってかぶってくれないんです(>_<)
我が家では番外編扱いですが、かぶってくれさえすれば大いに役立つはず(^^;
お風呂で使える介護用椅子(シャワーチェア)
お風呂に入っている間に倒れないよう、お風呂用の介護用椅子(シャワーチェア)も勧めました。
もともと認知症の母の介護で常備していたものですが、、、
父はやはり座ってくれず!(^^;
お風呂場も広くはないため、椅子を出しっぱなしにしておくと、却ってつまずく原因になるため使えませんでした。
濡れても滑らず、手すりも上がるため、座ってさえくれれば役に立つと思います!
最後に、父の病気がなぜ転びやすいかをお伝えします。病気の特性によりますが、転びやすい状況の参考としてお読みいただければ幸いです。
父の病気「進行性核上性麻痺」はどうして転びやすい?
なぜ進行性核上性麻痺は転びやすいの!?
父の場合を振り返りながら、病気の特性について、「難病情報センター」の情報を参考にご説明しますね。
※詳しくは、こちらの「難病情報センター」のページをご参照ください。
1.姿勢反射障害
バランスを立て直す体の反射がおきにくくなります。
歩こうとして足が前に出ない「すくみ足」、歩いているうちにだんだんスピードが速くなる「加速歩行」も見られます。
倒れやすかったのはソファの側や、トイレのドア付近。
体をターンするような動きをする時に、そのまま後ろに倒れちゃうんですよね(>_<)
2.体が固い、動きにくい
身体の固さ(筋固縮)、動かしにくさは、手足だけでなく頚部・体幹といった身体の中心にも現れます。
パーキンソン病のように震えの症状が出ることもあります。
病気の初期には、姿勢は直立したようになりがちで、進行期には、首をむしろ後ろにそらす特徴があります。
一見動きにくそうに見えても、突発的に立ち上がる・行動を起こす「ロケットサイン」が起きることも。
なるべく影響が少なくなるように、リハビリ型のデイサービスや訪問リハビリは受けていましたが、転びやすさは増していった・・・。
3.認知機能障害
注意力・判断力が落ちる、スムーズに物事が行えなくなったり言葉が出なくなったりする、といった症状が目立ちます。
危険に対する注意力や認知機能が低下することも転倒の誘因となります。
転ぶ怖さがないから、果敢に外に出ようとします。歩いてくれるのは筋力低下を防ぐのに繋がるけど、転倒のリスクも高まるので困りました。
4.目が動きにくい
上下方向に目を動かしにくくなり、上や下が見づらくなります。病気が進むと左右方向にも眼の動かしにくさが出ます。病初期にはみられず、2~3年たってから出現します。
当時の父を思い返すと、実家に寄ると倒れていたり、顔や腕に傷を作っていたり、本当にいろいろあったなぁ・・・
最後にまとめます!
まとめ
この記事では、進行性核上性麻痺の父の介護で「転倒対策」として使ったグッズ等をご紹介しました。
◆父の場合役立ったのは5つ!
- 手すり設置
- クッション材やマット、靴下等の市販グッズ
- カメラモニター
- 段差を減らす住宅改修
- 椅子の滑り止め
◆父の場合微妙だったのは3つ!
- 四点杖
- 帽子
- お風呂で使える介護用椅子(シャワーチェア)
あくまでも我が家の経験談。
ご本人の性格や体の状態、家のつくり等にもよりますから、いろいろ工夫されてみてくださいね!
以上、『進行性核上性麻痺の父が転ぶ!我が家の転倒対策グッズ等をご紹介』の記事でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
当ブログでは、四姉妹が両親の介護で得た、経験や気付き等を発信しています。
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父の病気の経過はこちら
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