「進行性核上性麻痺の父が穏やかに暮らすケアのポイントとは?」
こんにちは!進行性核上性麻痺の父を妹たちと介護している長女のゆるねえです。
介護福祉士の資格をもっています。
進行性核上性麻痺の父が誤嚥性肺炎で入院し、ほぼ絶食の状態から退院後の負のスパイラルを脱出した5日間の記事をシリーズでお届けしました。
退院後のケアについてお話しした記事はこちら!
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退院後、1年経過し、お陰様で86歳の誕生日を迎えることができました!
LINEのクループ通話で家族とお祝いもしましたよ\(^o^)/
今回は誤嚥性肺炎から一年経った今の、『父が穏やかに暮らすためのケア5つのポイント』をご紹介します。
父の現在の状態と、ケアのポイントを踏まえて行っている対策もお伝えしますよ!
現在の父は低空飛行ながらも穏やかに暮らせています。
医療や介護はこれがベストって言い切れるものはないし人それぞれ。
あくまでも父の場合ですが、我が家の情報が少しでもお役に立てればうれしいです。
では早速、父が穏やかに暮らすためのケア5つのポイントをお伝えしますね。
父が穏やかに暮らすケアのポイントは?
父の現状を見ながら気をつけているケア“5つのポイント”はこちら!
- 食べる時の姿勢
適切なポジショニング(姿勢調整)、シーティング(座位での姿勢調整)で安全で、楽に食べる!
- 栄養と食事
訪問栄養士さんと相談し、おいしく栄養管理、食事量調整、消化器系の負担を考える。
- 便秘を防ぐ
食事調整、薬、身体を動かす。
- 身体のこわばりを防ぐ介助やケア
身体のこわばりを防ぐ介助(拘縮予防)の共有と声かけが大事。
- 口腔ケアと口の中の乾燥を防ぐ
食後や起床時に口腔ケアをして痰や汚れを取り除き、その後口の中を保湿する。
5つのポイントは支えあっているので、どれかひとつが欠けても悪い方向に進む!
また、うまく行きだすと、穏やか度がアップするのは間違いなし!
5つのポイントの詳細は、それぞれ別記事でもご紹介していきます!
一年間にあった様々な出来事から対策を練り、このポイントに重点をおいたケアになりました。
では、現在の父の状態をご紹介します。
2020年6月現在:父の状態をご紹介!
父の基本的な生活動作は?
2020年6月現在、父の状態はこんな感じです。
もう86歳ですし、病気の進行はあります。でも穏やかな表情の時が増えたんです。
体調が良い時の父は?
体調が良い時の父は・・・
今回の手を挙げる様子は本当に驚きました!
病気の進行で動けなくなったと思い込んではいけませんね。
辛さや苦しさがないと、動こうとする意欲が感じられる(^^♪
寝ているときが多いですが、苦しそうな表情が減ったのが一番うれしいです。
体調が良いと、好きなラジオや音楽を聴いたり、マッサージをする時間も増えました。
次に、現在起きがちな問題とその対策を、Q&A形式でお伝えしますね。
起きがちな問題の原因と対策は?
2020年6月現在、起きがちな問題と対策についてお話します。
むせることは?
食事に集中できず、飲みこむタイミングがずれたり、食べ物が口の中にある状態で声をだしたときにむせます。
でも、大きな咳で吐き出せています。
原因と対策はこちらです!
- 疲労
- 眠気
- 便秘
- げっぷ
- 胃腸の不快感
- 咽頭残留物の有無
- 姿勢の崩れ
- いつもと違う音や人の多さ 等様々
- 食べる時の姿勢を調整(シーティング】する
- 食事介助のスキルを共有する
- 複数人で話しかけない
- 集中力を妨げる音を出さない
- 他、逆流と同様の対策
とにかく不快な症状を減らして食事に集中してもらうことが大切!
胃からの逆流は?
2019年11月頃から、胃から食べ物の逆流が始まりました。
特に、冬は便秘気味の時に逆流がよくありました。
食後しばらく経ってから顔をしかめ、あーっと声を出すので、喉に違和感があるのかな?吐き気かな?、痛み?と色々推測しました。
原因と対策はこちらです!
- 病気の進行
- 高齢
- 廃用症候群
- 消化器系(食道、胃、腸、肛門etc.)の機能低下
- 不適切な食事介助はないか検討する
- 便秘を改善する
- 食事量調整(食事量減らし高栄養にする)
- 食後のリクライニング角度を20~30度で調整(胃や腹部の内側の内圧を上げない)
現在逆流はほとんどありませんが、顔をしかめて声を出し、痰が出るときはありますね(>_<)。
身体の動きは?
股関節や首、腕の関節は以前より硬くなり、筋力も落ちています。
- 加齢
- 病気の進行
- 廃用症候群
- 身体の緊張をまねく介助と不快な症状
- 不適切なポジショニング(姿勢調整)
- マッサージやリハビリ、訪問入浴等で身体の緊張をほぐす
- 身体のこわばりを防ぐ介助(声かけやケアの統一)
- 身体が楽になるシーティングとポジショニング
まだ吸引は何度もしている?
痰がよく出て吸引をよくする日もあれば、全くしなくてもいい日もあります。
起床時は、咽頭に残っている乾燥した痰や口腔内にある汚れた細菌を除去するため、吸引しています。
起床時の痰はかためですが、日常の痰は白くてサラサラの時が多いです。
- 呼吸機能低下
- 嚥下障害
- 加齢
- 食べる時の姿勢調整
- 食事介助の見直し
- 口腔ケア
口腔カンジダはどうなった?(2019年1月頃から症状あり)
痰と似ているのでわかりにくいですが、治ったと思ったらまた悪化したり。
- 点眼薬の使用(原因はこれが確定ではないですが一応)
- 口の中の乾燥
- 唾液量低下
- 免疫力低下
- 点眼薬(抗菌薬)中止
- 起床時、食後の口腔ケアと口の中に保湿ジェル塗布
我が家で使っている保湿ジェルはこちらです。
以上、現在よく起きている問題と解決策についてお伝えしました!
誤嚥性肺炎で入院後、1年間にあった様々な出来事から対策を練り、上記5つのポイントに重点をおいたケアになりました。
先にお伝えしたとおりですが、5つのポイントは詳しくまとめて別記事でご紹介していきます!
ちなみに、誤嚥性発症前後から色々な先生方の本を読みました。
下記の野原先生の本『認知症患者さんの病態別食支援』は、表紙に書いてあるように、安全に最後まで食べるための”みちしるべ”でした。
大変参考になり背中を押してもらったので、ご紹介しますね。
(最初は認知症の母の介護の勉強にと購入したものですが)
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では最後に振り返ってみましょう。
まとめ
この記事でお伝えした、進行性核上性麻痺の父が穏やかに暮らすためのケアについてまとめます。
●穏やかに暮らす5つのケアのポイントは
- 食べる時の姿勢
- 栄養と食事
- 便秘対策
- 身体のこわばりを防ぐ介助
- 口腔ケアと口の中の乾燥防止
●現在の父の基本的な生活動作
- 動作:すべて介助が必要だが、ゆっくり腕や足は動かせる。
- 排泄:テープ止めおむつを使用しているがポータブルトイレに座り排泄可能。
- 食事:食事量は減っているがペースト、ムース食摂取。むせても大きく咳をして吐き出す。
- 表現:会話はできないが、不快(痛み、便意、痰、咽頭に残留物)なときは大声をだしてくれる。急に動かされた時は全身が硬くなる。わずかな表情の変化あり。
- 睡眠:日中も夜も寝たり起きたり、動いた後はすぐ傾眠。
●現在の状態と対策
- 飲み込むタイミングがずれむせる
→シーティングと食事に集中できない原因をさぐり改善する。 - 食事量は減っている
→栄養や食べること全般は訪問栄養士に相談。 - 胃からの逆流(以前よりは少ないが)
→食事量調整、ポジショニング、便秘対策で逆流防止。 - 身体が硬く緊張する
→身体のこわばりを防ぐに介助やケアをする。 - 痰の吸引(起床時と痰が多い時だけに)
→シーティングと口腔ケア、食事介助技術、食形態の工夫。 - 口腔カンジダ
→点眼薬は中止。口の乾燥防止に保湿ジェル塗布。
以上、『進行性核上性麻痺のケア:父が穏やかに暮らすための“5つのポイント”』でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪
ケアのポイントの詳細記事を執筆中です。
今回の内容を詳しくお知りになりたい方はぜひ読んでくださいね。
父の経過をお知りになりたい方はこちらの記事をどうぞ!
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