「親に異変が起きた時、どんな病院にかかったらいいの?」
「介護保険申請の手続きは?」
こんにちは!
進行性核上性麻痺の父を姉妹たちと介護している、ケアマネジャーの 次女ちゅうちゃんです。
進行性核上性麻痺の父の病気の始まりから介護保険申請につながるまでの体験をブログにまとめています。
前回の前編の記事では、父の初期症状について、認知症らしい症状と転倒があったことをお伝えしました。
進行性核上性麻痺はゆるやかに進行していく病気。
どんな病気でもいつか介護の限界はくる。
でも、なるべく家族全体の生活に波風をたてないように、父の転倒や謎の出来事にハラハラしながら一つ一つ進めていきました。
今回は、後編として、父の異変に対して姉妹で行った、病院にかかったことと、介護保険申請についてお伝えします。
介護保険申請については、必要な書類等について触れますよ!
ではまず、医療と介護に繋がるまでに四姉妹が何を行ったか、復習を兼ねてお伝えしましょう。
初期症状が始まって10ヵ月!起きたことと姉妹で決めたやることは?
何の病気だか分からないけど、認知症のような症状と、転倒を繰り返すという謎の状況が続いて10ヵ月が経ちました。
四姉妹のLINEグループでは、毎日のように「どうしよう!?」と慌てふためく言葉が飛び交ってました
「姉妹ミーティング」と称して4人で集まることも増えてきて。
当時遠方に住んでいた長女のゆるねえも、2~3ヵ月に1回、仕事や義理の親の介護の都合をつけて来てくれました。
姉妹ミーティングで考えた、大事にしたいポイントはこちら。
そして、気が気でない日々を乗り越えるために、姉妹が行動すると決めたことは次の2つでした。
- まず病気の正体を突きとめて、必要な医療につながる!
- 介護体制づくりのため、介護保険認定申請をする!
では、1点目として、必要な医療につながるために病気の正体を突き止めようと動いた話です。
まず病気の正体を突きとめて、必要な医療につながる!
どの診療科にかかればいい?脳の病気の入り口になる診療科とは
父はぼーっとしていることが増えていましたが、ワンテンポずれてもちゃんと意思表示はできます。全部わからなくなっているわけではありません。
父本人にも受診の必要性について姉妹の考えを伝えました。
辛かったと思うけれど、病院嫌いの父もなんとか応じてくれました。
認知症の症状があっても全部わからなくなっているわけではありません
本人の理解できる範囲で説明して受診することは病気と向き合ううえで大切です
四姉妹が考えた病院チョイスのポイントはこちら。
- 今後定期通院することも考え、無理なく通院できそうな病院
- (父の気が変わらないように)予約なし・なるべく初診でもMRI検査をしてくれる病院
大きい病院は情報提供書(紹介状)が必要です。
父の症状から、パーキンソン関連疾患である可能性も視野に、最初に父が受診をめざした個人病院は「脳神経外科」でした。
まずどこの診療科にかかればいいのかわかりにくいよね。
脳に関連した病気の入り口はイメージとして神経内科、神経科、脳外科かな…。
神経性の病気だとすると、専門診療科は神経内科だよね。
でも神経内科ってあまり知られていないし、専門の先生も少ないみたい。
後で進行性核上性麻痺の診断をしてくれた神経内科の先生は、こんな風に仰っていました。
進行性核上性麻痺の診断では、整形外科(よく転ぶ)や脳神経外科(認知症など)から、専門医である神経内科につながっていくことが多いようです。
違和感があったら、あきらめずに他の科へ紹介してもらうことも大切ですよ。
いざ、脳神経外科で受診!
最初に受けた診断名は?
短い診療時間に先生にどれだけのことが伝えられるか…。
父本人を前に認知症を前面に出したことは言いにくいので、問診票に要点を整理し、伝わりやすいよう箇条書きにして、診察に臨みましたよ。
脳神経外科を受診した当日の検査メニューはこちら。
- 生活習慣病がないか
→血液 尿 心電図 胸部レントゲン - 認知症
→長谷川式認知症スケール - 脳
→頭部MRI
診察室では、先生の指示のもと、実際に歩き方やバランスをみたり、先生の指の動きを目で追うように指示が出て目の動きを見たりの検査をしました。
父からも、
- 手足の動きがなめらかでない
- 言葉が出にくい
- 口まわりの違和感
を言っていました。
ひと通りの検査を終えて再び診察室へ呼ばれ先生のお話を聞きました。
当日の結果はこちらです。
- 血液検査等の結果はほぼ異常なし
- 長谷川式認知症スケール (*) は16点 (※20点以下は認知症の疑いとされています)
- 海馬の萎縮はあって、長谷川式の結果と照らすと中度の認知症とのこと
- 認知症の種類としてはアルツハイマー型を疑うとのこと
- 脳血管的には年相応
思考が回らないようなのです、と父を代弁して伝えたところ、先生は「それを認知症というのですよ、あっはっは…」という感じでした。
父の気持ちを思うとその場にいた私たちは凍りつきましたが、先生にずばり言われた父は黙って聞いていました。
ちょっと切なかったなあ。
でもはっきり言ってもらったお陰で、父も家族も起きていることをしっかり受け止められた。
介護保険の申請に必要な医師の意見書を書いてもらう
介護保険の申請もしてください。医師の意見書は書きますよ。
まだ確定診断はない状態でしたが、生活上、父の転倒は増えるばかり。
ケアや見守りが必要な状態には間違いなく、早めに安全な介護体制を整えたほうがよいと判断し、地域包括支援センターへ行き介護保険認定申請をしました。
介護保険の申請に必要な書類等は後のパートでご説明しますね。
医師から追加の一言「説明のつかない症状」がある
でも、それだけでは説明のつかない症状があります。
「神経内科」へ紹介状を書きますのでそこで詳しく検査してください。
最新の検査ですから保険をつかっても2万円くらいしますが大丈夫ですか?
と続けて先生が一言。
確かにお高い検査費用ですが、病気の正体を知らないままでは戦えない…!
後日する予定になった検査は二つ。
① 脳の血流の検査
② スペクト検査で神経伝達物質の評価
① と②は別の大きい病院で予約をとることになりました。
やはり予感は当たり、病気の正体は、認知症だけではない何か…。
全部の結果が揃ったら、確定診断。
状況によっては別の病院でさらに検査をして確定することになります
と説明を受けました。 病気の正体がわかるのはまだ先…
その後、父は紹介をしてもらった元国立病院系の神経内科での検査入院を経て進行性核上性麻痺の診断を受けました。
早いほうだと思いますが初期症状が出てから診断をうけるまで約1年近くありました。
次に、介護保険の申請に必要な書類等についてお伝えします。
介護体制づくりのため、介護保険認定申請をする!
介護保険の申請をして認定がでるまでは1か月以上かかることを見込んだほうがいいですが、必要なサービスを先行して使うことも可能ですよ。
介護保険の申請は家族が代理で申請することもできます。
必要な書類等はこちらです。
- 介護保険証(65歳以上の方は自治体から発行されています)
- 印鑑(本人が申請する場合は名前の自署で可)
- 主治医の意見書を作成してくれる医師のあて先がわかるもの(診察券等)
詳しくは、お住いの自治体や地域包括支援センターで確認してくださいね
介護保険のガイドブックとして、、
お住いの自治体のハートページという冊子があります。
お住いの自治体独自の制度もハートページには載っています。
介護保険申請の際はぜひ一読を!
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たいへんなときは無理せず、お住いの地域を担当する自治体の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに相談してみてくださいね。
介護保険申請の結果が出てから、
ケアマネジャー選び、サービス契約…とやることは続きます。
これらは、別の記事で改めてご説明します!
まとめ
この記事でお伝えしたことはこちらです。
★四姉妹で考えたことのポイント
- 自分や家族だけで頑張るよりも介護保険や難病・障害の制度を利用する
- 医療や介護の専門職の皆さんの知恵やケアの手をお借りする
- いつも体の状態を明らかにする(主治医に定期受診する)
- 病気のすすみはあっても体をよい状態にキープする(ケアやリハビリ)
★気が気でない毎日を乗り越えるために行ったこと
1.まず病気の正体を突きとめて、必要な医療につながる!
- 脳神経外科を受診して認知症の診断を受けた
- 説明がつかない症状について、詳しい検査を受けるよう勧められた(後日検査を受けて進行性核上性麻痺の確定診断を受ける)
2.介護体制づくりのため、介護保険認定申請をする!
- 介護保険証(65歳以上の方は自治体から発行されています)
- 印鑑(本人が申請する場合は名前の自署で可)
- 主治医の意見書を作成してくれる医師のあて先がわかるもの(診察券等)
介護保険のガイドブックとして、お住いの自治体のハートページもご参照ください
ケアマネジャー選び、サービス契約…とやることは続きます。
そちらは別の記事でご説明しますので、今後にご期待くださいませ!
以上、『進行性核上性麻痺の父が介護保険につながるまで【後編】家族が動いた病院選びと申請手続き』のお話でした!
当ブログでは、進行性格上性麻痺の父の介護について、四姉妹が力を合わせて記録しています。
父の病気の経過についてもぜひご覧ください(^-^)
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