在宅介護:訪問歯科は口腔ケアが自分でできなくなった時の強い味方

進行性核上性麻痺の介護

※この記事は、父が存命の頃の記録メモから書きました。

こんにちは!ケアマネージャーの資格を持っている、ちゅうちゃんです。

今回は、父が要介護2の頃、訪問歯科診療の先生が父のケアチームの一員となってくれたことで口腔環境、ひいては食生活が劇的に改善したストーリーをお伝えします。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

なかなか行き届かない口腔ケアを父の日常に取り入れるため、何とか風穴を開けたい!と思っていた私たち。

大きな役割を担ってくださったのが、訪問歯科診療(歯科医師・歯科衛生士による居宅療養管理指導)でした。

進行性核上性麻痺だけでなく、認知症等他の病気の場合にも参考になるかと思います。
ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。

きっかけはショートステイから帰った時の口の中

きっかけは父が要介護2だった頃、ショートステイから帰った口の中が大変なことに!

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

えーっつ??

いくら何でも、これは一体??

衝撃すぎて、つい写真を撮ってしまいました。(いきなりすごい写真をお見せしてスミマセン!)

ショートステイから帰ったばかりの口の中


ショートステイ先で帰宅前におやつを食べ、口の中のチェックなく帰宅時間になってしまった結果がこれだったようです。

当時の父は、進行性核上性麻痺により転倒が増え、転倒対策やサービスを利用して見守りを増やしていました。病気の進行とともに口を開けることも難しくなっていました。

三女もよ
三女もよ

父が自ら口のセルフケアができなくなっていて、口の中はブラックボックス状態。

父自身ももどかしかったと思います。

父の話す力や食べる力は急激に低下していましたが、家族もお口の中までは確認できていない状態だったのです。

口腔ケアが大事と分かっていても、お口の中は個人の超プライベートゾーン。

ショートステイから帰った後はいつも緊張して身体がガチガチ。神経難病の父の場合、緊張が口の動きにまで及び、余計に口腔ケアがしにくかったと思われます。

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

「口を開けて」と声をかけても進行性核上性麻痺の父は反応が遅くて時間がかかるのよね(泣)。

忙しいケアワーカーさんに無理は言えないけど、これはマズイ・・・。

介護状態にある人にとって、口の中の状態が悪いと誤嚥性肺炎や窒息のリスクも。

この出来事をきっかけに、口がなかなか開かない父の口腔ケアの方法を模索することになりました。

訪問歯科診療開始を視野に歯科クリニックを探す

「口が開けられないのではなく、時間がかかる」ということを施設等にも共有して問題解決に向かう必要がありますが、、、

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

家族がいくら言っても説得力に欠けるのです!

父とも話し合い、食べ続けられる口を維持するため、歯医者さんにかかることに決めました。

いずれは訪問歯科診療を受けることを視野に、父の状況に寄り添ってくれそうな歯医者さんを探すことに。

通院そのものが大変だけど、一度は検査をちゃんと受けたほうがいいよね、とも考えました。

歯医者さんを選ぶ際は、将来的にも継続してみてもらえるよう、地域でパイオニア的に訪問歯科診療の実績がある歯科クリニックに狙いを定めて受診することにしました。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

訪問歯科診療(歯科医による居宅療養管理指導)の地域情報は、ケアマネージャーさんまたは地域包括支援センター等でも教えてもらえます。

四女けろたん
四女けろたん

さっそく電話して病名や事情を伝えると、すぐ状況を察知して下さり、院長先生から「体調をみてゆっくり時間が取れる日に来てください」と言ってもらえました。ホッ

歯科クリニックにかかった日の事

予約当日は、父の身体の動きがとても悪い日でした。

口を開けてくれず診察が満足にできないのでは・・・と心配になるほど。

歯科クリニックに到着。診察室では何度か方向転換が必要で、その都度父のふらつきに対処しつつ、なんとか診察台に座ってもらいました。

歯科医師:「ハイ、お口を開けてください」

と父に指示。先生は父の口の動きをじーっと観察します。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

あとで気づいたのですが、口の動きを診るところからが、歯医者さんの領域なのですね。

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

口を開いてくれなかったら、せっかく行った甲斐がない・・・と思っていたけど、そんな心配はご無用だった!

歯科医師:パーキンソン関連疾患(進行性核上性麻痺など)の人はショートステイやデイサービスの後は身体が動きにくくなっちゃう場合がけっこうあるんだよね。でも大丈夫。ほら、時間をかければ自分でこうして口が開くでしょ。

待っていると、父の口がジワジワと開いてきました。

先生の頼もしい言葉に、動きの悪い父を連れて受診したことが報われ胸がいっぱいに!

その日、父の口の中で長期間外されることなく悪臭を放ちつつあった部分入れ歯が、とうとう日の目を見たのでした。

父の歯科診療の治療方針

父の歯科診療の治療方針は以下のようになりました。

  1. 合わなくなっていた部分入れ歯を新しくする。
  2. 虫歯になってぐらついていた歯を抜く。
  3. 残った歯をクリーニングする。

さらに、他の職種(訪問介護・訪問看護)と連携してケア方法について指示をだしてくれたり、父の食べられるお口をつくるためのアドバイスをしてくださいました。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

歯を抜くのは残念だけど、虫歯になった前歯を1本抜いたことで歯ブラシがいれやすくなり、お口の中が掃除できるようになりました。

四女けろたん
四女けろたん

今まで口の中に残渣(食べかす)があっても取れなかった。

お口の機能(のみ込む力・噛む力)に応じた食事の工夫や口腔ケアなど、同時にやらなければならないことが盛りだくさんだったなぁ。

訪問歯科診療に移行

その後、父は通院での治療を経て、きれいなお口を維持するために訪問歯科診療に移行しました。

在宅介護で行った父の口腔ケアは以下の通りです。

  1. 月1回の歯科医師による訪問歯科チェック
  2. 週1回の歯科衛生士さんによる口腔ケア
  3. 食事毎のヘルパーさんによる口腔ケア

父の口腔ケアでは、これまでも歯間ブラシ・くるりーなブラシ・スポンジブラシ等を準備していましたが、これも口が開かなければ活用できず。

進行性核上性麻痺の父が毎日使っている口腔スポンジとウエッティ
口腔ケアスポンジ、口腔ケアウエッティー

あの日歯医者さんに連れて行ったことをきっかけに、無事訪問歯科診療につながって、本当によかったです!

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

ちなみに、訪問歯科診療の費用は、父は身体障害者2級をもっていて医療費の自己負担はなし。

居宅療養管理指導料(介護保険)の支払いのみとなっています。

※他に交通費など歯科医院によっても違いますのでご注意を。

まとめ

以上、「在宅介護の訪問歯科診療はお口のセルフケアができなくなった時の強い味方」について、進行性核上性麻痺の父が要介護2だった頃のエピソードをお話しました。

次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

歯医者さんは、口から食べ続けるための強い味方。介護がはじまったら早めに相談することをオススメします。!

「四姉妹と介護のブログ」では、進行性核上性麻痺の父と認知症の母の介護について、実体験を書いています。他の記事もご覧いただければ嬉しいです。

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