誤嚥性肺炎を防ぐための口腔ケアが逆効果に?介護家族の私が必死に守った2つのこと

進行性核上性麻痺の介護


「嚥下障害がある父の口腔ケア 絶対にやってはいけないことは?」


長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

こんにちは!進行性核上性麻痺の父を
妹たちと介護していた長女のゆるねえです。
介護福祉士の資格をもっています。



前回の記事では

誤嚥性肺炎を防ぎ、
食べる機能を維持するために行っている、

父の毎日の口腔ケアについてまとめました。

▼▼▼




口腔ケアは父のような嚥下障害がある人にとって重要なミッションの一つ!

なぜなら口の中の汚れた細菌を誤嚥し、
誤嚥性肺炎を起こすリスクを少しでも減らすため。

でも頑張った口腔ケアが
やり方を間違えると逆効果になってしまう。

今回の記事では

✓口腔ケアのやりかたによってどのような逆効果があるのか

✓どうしたらそれを防げるのか

をお伝えします。


長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

在宅介護しながら
訪問歯科医や歯科衛生士さんに聞きまくり、

本で調べたり、

セミナーや講習会に参加しましたよ。


もちろんお口の中の状態や病気によって
口腔ケアは違います。

進行性核上性麻痺の父の在宅介護中

気を抜かないように必死に守ってきた2つのこと

心に留めて下さると嬉しいです。

口腔ケアのやり方によっては逆効果に?いったい何が起きるの?

それは

父のような嚥下障害がある人は
口腔ケアのやり方を間違えると、
汚れた細菌を含む唾液が喉に流れこみ
誤嚥してしまう。

それが原因で誤嚥性肺炎を引き起こすリスク大なんです!


注意!


ムセてないから大丈夫!ではないんです。ムセない誤嚥である「不顕性誤嚥」
になりやすい疾患(レビー小体型認知症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症等)の場合は特に気をつけたい!




口腔ケアが原因で誤嚥性肺炎!?ならないように必死に守った2つのこと



①口腔ケアをする側とされる側の姿勢を正しくする
②口腔ケアをしたときの唾液はしっかり取り除く


こちらの2つを必死に守りましたよ!


では最初に口腔ケアのときの
する側とされる側の姿勢についてお伝えします。


口腔ケアの姿勢を正しく!


四女けろたん
四女けろたん

我が家の場合は家族だけではなく、
ヘルパーさんや看護師さんにも口腔ケアをしてもらったね。


長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

そうそう!
だから、ヘルパーさん、看護師さん達にも気をつけてもらったね。


口腔ケアをするときの「ケアをする人の姿勢」


注意!

ケアをする人が立ったまま、
上から見下ろすような姿勢で口腔ケアをするのは絶対ダメ!!



長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

立ってケアをしている人いませんか?


ケアされる人を
見下ろしていませんか?


上から見下ろすような立ち姿勢で口腔ケアをすると

父のあごがさらに上がってしまいます。

口腔ケアのときの汚れた唾液を誤嚥する可能性が高くなっちゃう。

食べている最中に上を向いたとたん
むせたことないですか?

私はしょっちゅうありますよ(;´д`)トホホ
油断大敵です(;^ω^)



長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

口腔ケアをする時は
父にややあごをひいてもらい目の高さをあわせました。
視線が斜め下になるようにイスに腰かけましたよ。


ヘルパーさんや看護師さんでも知識はあっても
実際の現場できていないなーってことが(;^ω^)
効率重視?で立ってケアしている人多いです。

腰や膝を痛めている人多いですからね。(私も”`ィ (゚д゚)/)
腰を低くするのが辛いなら工夫してほしいのが本音。

介護のプロにお願いやダメ出しのようなことを言うのは気が引ける。

でも在宅介護でモヤモヤするのは自分の心の安定がぐらついてしまう。

そんな時私は
笑顔ではっきりと!

ヘルパーさんや看護師さんが
父の口腔ケアの時に
立って行っているのを見たら


さっとクッションを差し出し、
「父が汚れた唾液を誤嚥しないようにあごを引くのに使って下さい」

イスをサッと差し出し、
「この角度だとあごが上がって誤嚥してしまうので、どうぞイスに座って下さい。」

と伝えました。


具体的にその場で伝えるのがキモです(笑)

家族も知識をもってケアをしていることが伝わると、
より一層気を引き締めて対応してくれました。(そう願ってます!)


三女もよ
三女もよ

口腔ケア中はよくゆるねえに注意されたな~。
父は身体を自分で動かせないから、
ケアする側が姿勢を気をつけないとね。


口腔ケアをするときの「父の姿勢」



口腔ケアをするときは(父の場合はベッド上、ティルト式車イス)ギャッチアップ45度以上に上げ、
タオルやクッションを後頭部から首にかけていれ、ややあごをひいた姿勢になってもらいました。


あごと胸の間は握りこぶし1個分程度(横指3~4本入るスペース)です。


余談ですが
あごが引くような姿勢になるハイバックサポート機能付きベッドや
車イスのヘッドサポートに取り付けるクッション等の新商品がでていると
Twitterのフォロワーさんから情報が!いつもありがたいです。

嚥下にかかわる品も進化しています。こまめに調べていきましょう!




次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

口腔ケア以外の時も常にタオルやクッションを後頭部にいれて

あごが上がらないように調整したよね!

長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

枕やタオルで調整する時
首と肩に隙間ができると緊張しちゃう。
肩までしっかりと差し込んで隙間をなくし、
首や上半身が楽になるよう気をつけたね。


便秘や疲れは、姿勢が悪くなったり、飲み込みの調子にも影響しました。

✓便秘を防ぐ
✓生活リズムを整える
✓緊張しない楽な姿勢になってもらう
などの

全身状態を良くすることが誤嚥性肺炎の予防にもなるのです。

毎日のケアの積み重ねですね~♬


 

次は
✓うがいができない
✓嚥下障害がある
父の
口腔ケアのときの唾液の回収についてですよ。

これもとっても大事!


口腔ケアのときの唾液や水分残っていませんか?


歯を磨いた後に口の中に残っている唾液や水分を取り除きましょう!!



なぜなら

磨いた後の汚れた唾液や水分には
歯や歯ぐきからこすりとられたバイオフィルムが含まれていて

それはもう沢山の細菌だらけ

父は口をスムーズに動かすことができず
口の中の水分をうまく保持できませんでした。
さらに
口腔ケアすると、口の中が刺激されて唾液がでてきます。
その時にあごが上がっていたら…!

誤って唾液が肺に入ってしまうために発症する誤嚥性肺炎を引き起こしかねません。

せっかく歯磨きでバイオフィルムをこすり落としても、
その後取り除くことができなければ逆効果になってしまいますね。


四女けろたん
四女けろたん

万が一誤嚥してしまったら、
それらの細菌が原因の
誤嚥性肺炎を起こすリスクが高くなるね。

ではどうやって取り除く?


うがいができない、嚥下障害の父は
口腔スポンジや口腔用ウエットティッシュで拭き取って汚れを取り除きました。

必ず奥から手前に拭き取るように気を付けましたよ。



次女ちゅうちゃん
次女ちゅうちゃん

口を開けづらい時期は
吸引器につないで使用する
吸引くるリーナブラシを使ったこともあったね。

汚れをすばやく回収できて本人が疲れないすぐれもの!


我が家で使っていた口腔ケアスポンジと口腔ケアウエッティ
防災グッズとしても備蓄しておきたい!
▼▼▼

進行性核上性麻痺の父が毎日使っている口腔スポンジとウエッティ


 
口を大きく開けることが難しかった時にも奥まで届き、
時短で汚れた唾液を回収できた吸引くるリーナブラシ
▼▼▼

進行性核上性麻痺の父の介護で使っている吸引くるりーなブラシです



口の中が乾燥する父は、汚れを拭き取ってから、口の中に保湿ジェルを塗るのも必須です。

三女もよ
三女もよ

どんな時も手洗い、手袋をするのも絶対忘れちゃいけないね!


長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

病気やその時の心身状態によって
口腔ケアグッズも様々。新商品がでている場合も。

歯科医や歯科衛生士、ST等専門職さんに
相談しましょう!


それではまとめてみましょう。


まとめ




進行性核上性麻痺の嚥下障害がある父のために
口腔ケアで必死に守った2つのこと

1.口腔ケアの時の姿勢を正しく

①口腔ケアをするときの「ケアをする人の姿勢」

上から見下ろすような姿勢ではアゴが上がってしまいます。
立ったままの姿勢で口腔ケアをするのは絶対にダメ!

イスに座り、父の視線が斜め下になるように
目の高さに合わせてケアをしました。



②口腔ケアをするときの「父の姿勢」

ベッドやティルト式車イスでは
・ギャッチアップ45度以上
・タオルやクッション等であごと胸骨の間を握りこぶし1個分程度に調整
ややあごをひいた姿勢になってもらいました。



2.口腔ケアの時の汚れた唾液や水分は必ず取り除く

磨いた後の汚れた唾液や水分には
歯や歯ぐきからこすりとられたバイオフィルムが含まれていて
沢山の細菌だらけ。

誤嚥しないように
口腔ウエットテッシュ、口腔スポンジ、吸引くるリーナブラシ等で
口腔ケアのときの汚れた唾液をしっかり取り除きました。



いかがでしたか?

ここまで読んでいただきありがとうございました!

父は飲食物を飲み込むときに大きくムセることがありましたが、

口腔ケアの時はムセたことがありません。
それなら安心!ではないのですよ~。

嚥下障害のある人は誤嚥してもむせないこともあるのです!

だからこそ気をつけて口腔ケアをしてきましたよ。


食べたときの誤嚥ばかり注目されますが、口腔ケアのときの誤嚥も気をつけていきましょう‼

ついでにセットで読んでほしい 摂食嚥下障害のある人の2種類の口腔ケアの記事はこちら

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穏やかに暮らすための5つのポイントの記事はこちら

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