「お父さん!口を開けてー!!入れ歯がはいらないよ!!」
「お父さん、噛みしめないで!入れ歯をはずすんだよ!」
このセリフを家族やヘルパーさんは何度叫んだことか!!
こんにちは!進行性核上性麻痺の父を,
妹たちと介護している長女のゆるねえです。
介護福祉士の資格をもっています。
前回は嚥下障害のある人の口腔ケアは2種類あることを記事にまとめました。
▼▼▼
今回は、根気よく続けることで
噛みしめが治った入れ歯の着脱法についてお伝えします。!(^^)!
「入れ歯なんて口開けてもらって外せばいいでしょ?カンタン!」
はい、父だってカンタンでした。でも病気が進行するにつれ、カンタンな入れ歯の出し入れが、
カンタン!ではなくなってしまったのです。
脳から身体を動かす指令が急速に低下してきた頃、
口を開けてもすぐに噛みしめてしまう困った状態になりました(>_<)
父はケアする人の指を噛もうとするわけではないのです。
噛みしめてしまうのですよ( ノД`)シクシク…。
そうなんです(´;ω;`)ウゥゥ
でも!おかげさまで現在噛みしめは減り、
口を開けてくれるようになりました\(^o^)/
誰でも30秒以内には終了するようになりましたよ!(まだ長いですかね(;^ω^))
今回お伝えするのはこちらの3つ!
- 困った!入れ歯を出し入れできない!どんな時に噛みしめるの?
- なぜ噛みしめてしまうの?
- 噛みしめず口を開けてくれる入れ歯の着脱法とは?
病気の症状や口の中の状態、どんな入れ歯なのかも人それぞれ。
あくまでも父の場合ですが、
この情報が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
まず最初に、入れ歯を着脱する時の噛みしめはどんな時におこるのか、
詳しくお伝えしますね。
困った!入れ歯を出し入れできない!どんな時に噛みしめる?
病気の進行とともに、脳から身体を動かす指令の機能低下
↓
口が動き出すまで時間がかかる
このような症状が出てきた頃、健康な人なら秒で終わる入れ歯の着脱が
入れ歯を入れる時
✓口が大きく開かず、入れ歯を定位置に接地する前に噛みしめてしまう(;´Д`)
入れ歯をはずす時
✓口から取り出そうとする直前に噛みしめてしまう(ノД`)・゜・。
そして、入れ歯の出し入れの時に急に噛みしめると、
入れ歯が定位置からずれて口の中で斜めにとどまる
↓
もっと噛みしめる
↓
出すことも入れなおすこともできない!
という恐怖の時間の幕開けが、何度起こったことか(;^ω^)
「口を開けて下さい!痛い!」
なんて叫んでいるヘルパーさんもいたね
(´;ω;`)ウゥゥ
でもよく観察してみると
✓悪戦苦闘するヘルパーさん
✓上手に入れ歯を出し入れできるヘルパーさん
と、差がはっきり!
そもそも週1しか訪問しないヘルパーさんは,
慣れないのも仕方がないかな。
私もよく失敗しました(;´Д`)
父の体調にもよるしね。
でも私も含めての反省点だけど(;^ω^)
うまく出し入れできない人を観察すると、
何で上手くいかないのか
わかってきましたよ。
では、観察して気が付いた、噛みしめてしまう理由についてお話します。
噛みしめの原因は他にもあると思いますが、
あくまでも我が家の気づきという事でご容赦くださいませ(;^ω^)
入れ歯の着脱の時になぜ噛みしめてしまうの?
それは、
入れ歯をはずす声かけはしても
父が意味を理解する
↓
父の口が動きだすのを待つ
これができていないのでした。
病気の進行で視野も狭くなっています。
突然口に指を入れられ、
入れ歯をガチャガチャ動かさせるのですから、
びっくりして刺激になり、
噛みしめてしまうのもわかりますよね。
というわけで、父の動き出しを待てないケアが原因と気づきました。
介助する側のペースではなく、父のペースに合わせるのがキモですね。
次は、根気よく続けることで、噛みしめが治ってきた入れ歯の着脱法を、
ポイントからお伝えしますね。
噛みしめず口を開けてくれる入れ歯の着脱法とは?
最初に入れ歯着脱のポイントをお話します。
噛みしめず口を開けてくれるポイントは?
噛みしめず口を開けてくれるようになったポイントは、こちらの3つ!
✓これから何をするか伝え、入れ歯を見せる。
✓口のこわばりがある時は、頬のストレッチで緊張をとく。
✓父の口が動くのを待ち、動き出したらサポートとケアをする。
口のこわばりが強い時は唾液腺マッサージをしたり、
保湿ジェルをつけて頬の内側のストレッチをしたり。
他にも色々なケアがありますよ。
訪問歯科医、歯科衛生士さん、STさん(言語聴覚士)等に教えてもらうのが一番!
次は実際の着脱方法をお伝えしますね。
実際の入れ歯の着脱方法は?
父は部分入れ歯です。
入れ歯の入れ方
- これから何をするか伝え、入れ歯を見せる。
- 両手で入れ歯を持ち、両口角から優しく歯ぐきに沿って指を入れる。
- 口がゆっくり開いたところで、もっと開くように入れていた指にゆっくりと力をいれて押し広げる。
- 両手の指や爪で入れ歯の金具(クラスプ)を平行につまみ歯にかける。
- クラスプが安定するまで静かに押し込む。
実際の父の入れ歯です。
▼
入れ歯の金具の部分がクラスプです。
入れ歯の外し方
- これから入れ歯をはずすことを伝える。
- 両手の人差し指を両口角から歯ぐきに沿ってゆっくり入れ、口を開けるように声をかける。
- ゆっくりと口が開いたところで、クラスプに両手の人差し指や親指の爪をひっかける。
- 指や爪に同時に力を入れ外す方向に平行にゆっくり力をいれて外す。
- クラスプをつまみながら、別の指でゆっくりと口唇を押し広げ、入れ歯を少し斜めにして引き抜く。
この方法を根気よく続けることで、噛みしめがなくなってきましたよ!!\(^o^)/
もしクラスプを持った指がツルっと滑り、口の奥に義歯が入ったら
誤嚥してしまうかも!!(;゚Д゚)
しっかりつまんで離さないでくださいね。
気を付けましょう(経験済み(;^ω^))
入れ歯をはずす途中で噛みしめてしまっても、
つまんだクラスプを離さず、
落ち着いて声をかけ、
再び口を開ける動き出しをを待てば外せますよ。
時間がかかりすぎる!と思うかもしれませんが、
毎日繰り返すことで、噛みしめることが減り
出し入れがしやすくなりました(^▽^)/
ではまとめてみましょう。
まとめ
今回の記事でお伝えした内容をまとめます。
◆入れ歯の着脱の途中で、 噛みしめてしまう困った状態を避けるには?
⇒口が動き出すのを待つこと!
待たずに入れ歯をはずそうとすると噛みしめにつながります。
◆噛みしめず口を開けてくれる、入れ歯の着脱方法は? (部分入れ歯)
①入れ歯の入れ方
- これから何をするか伝え、入れ歯を見せる。
- 両口角から優しく歯ぐきに沿って指を入れる。
- 口がゆっくり開いたところで、もっと開くように入れていた指に少し力をいれて押し広げる。
- 両手の指や爪で入れ歯の金具(クラスプ)をつまみ、かける歯の所に平行にもっていく。
- クラスプが安定するまで静かに押し込む。
②入れ歯の外し方
- これから入れ歯をはずすことを伝える。
- 両手の人差し指を両口角から歯ぐきに沿ってゆっくり入れ、口を開けるように声をかける。
- ゆっくりと口が開いたところで、クラスプに両手の人差し指や親指の爪をひっかける。
- 指や爪に同時に力を入れ外す方向に平行にゆっくり力をいれて外す。
- クラスプをつまみながら、別の指でゆっくりと口唇を押し広げ、入れ歯を少し斜めにして引き抜く。
◆入れ歯の出し入れのポイントは ?
- これから何をするか伝え、入れ歯を見せる。
- 口元のこわばりが強い時は唾液腺マッサージや、保湿ジェルをつけて頬の内側のストレッチをする。
- 父の口が自分から動くのを待ち、動き出したらサポートとケアをする。
- 口の中の入れ歯のクラスプを両手の指や爪でつまんだら、絶対に離さない(誤嚥防止)。
いかがでしたか?
この方法を介護家族がヘルパーさんと共有するのは時間と労力がいる。
「口が開かない」「噛みしめてしまう」の原因が口の中の痛みや顎関節症等の別の原因ってこともあります。
だからこそ、摂食嚥下障害に詳しい訪問歯科医、歯科衛生士、ST(言語聴覚士)さん等に初期の頃から相談してほしいです。
一緒に困りごとを解決していきましょう!と、判走してくれるような専門職の方と出会えたらいいですね。
以上進行性核上性麻痺の家族介護:口が開かない!入れ歯がはずせない!噛みしめてしまうどうしたらいい?でした。
父は便秘になると、身体が緊張し、目を閉じることが多くなるという傾向も。
病気の進行だから仕方がないと思考停止するのではなく、全身状態をよく見て、本人や専門職と相談していきましょう!(^^)!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
実際の口腔ケアの記事も執筆中です。セットで読んでくれたら嬉しいです!
では(@^^)/~~~
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