こんにちは。四姉妹で父母を在宅介護し、看取りを経験した長女のゆるねえです♪今は介護福祉士として働いています。
母が亡くなって1年3ヶ月が経ちました。でも実家の母の部屋にはまだ介護の痕跡が残っています。ヘルパーさん用の食事介助の写真、冷凍庫の嚥下食、母のコップなど…。特養から戻った母と過ごした痕跡を、私も妹たちもバッサリ捨てようとはまだ思えないのです。
今回は、進行性核上性麻痺だった父がなんとか歩いて椅子に座れていた頃の、食事の時の座位姿勢についてお話しします。
気づかなかった父の努力
父がまだ自分で食事できていた頃のこと。父は肘掛けのない普通のイスに座っていたんですよね。その姿が、テーブルの端を両手で持って、なんだか威張ってるみたいに見えることもあったんです(笑)
当時は全然気にしてなかったんですけど、後になってこの病気や摂食嚥下障害のことを勉強したときに、はっとしちゃいました。あの姿勢、きっと体のバランスを必死に保とうとしてたんだな〜って。
父って元々無口な人で、症状のせいでさらに話しづらくなってたんです。転びそうと思っても言えなかったのか、無意識にやっていたのかわかりませんが、両手でテーブルをつかんでたのは、安定しない体幹のバランスをとっていたんですね。
残念ながら、当時の写真ってあんまり残ってないんです。でも、一番近い感じの写真があったので、載せてみました。 (この写真の少し後から、父が机を強く握るようになった気がします)
机をぐっとつかんで肩を張る姿は、取調室の捜査官みたいだったなぁ^^;
普段から威圧感を醸し出してる父だったから、その姿勢が苦しそうに見えなかった…。
もともと表情が少ないし、さらに病気で顔の動きが出にくかったから、余計気づかなかったのかも!
今ならできること
今の知識があれば、父の食事の時の姿勢をもっと楽にできたかもしれないなって思うんです。
例えば:
- 肘掛けイスを使う
- 両腕を置いて上半身がグラグラしにくくなりそう
- 上半身を支えるために腰や背中にいれたクッションやタオルが肘掛けのおかげで安定する。
- 足元をサポート
- 足が床に着かないときは、踏み台を使って足全体が乗るようにする。
- テーブルを工夫する
- 上肢が肘からテーブルやクッションにのるようにして身体をテーブルに近づける
このような工夫で、上半身が安定して、食事に集中できたかもしれないです
でもね、うちの父って「もったいない」精神の塊みたいな人だったんです(笑)。新しいイスの購入なんて、絶対渋ってたと思います。布団からベッドに変えるのだって大変だったんですから笑
日々の観察の大切さ
介護って、日々の細やかな観察と工夫で質があがると思うんです。あれ?なんか変。モヤっとするって直感も大事。そんな時は訪問介護や看護の方たちに相談したり、この病気や症状について本や記事で勉強したりしてました。
- 小さな変化を見逃さないように
- 姿勢が崩れてきたとか、食べこぼしが増えたとか、些細な変化にも気をつけてみる
- 言葉だけじゃなくて、体の語りにも耳を傾ける
- 言葉で伝えられない不快感や痛みを、姿勢や表情から読み取る
- 定期的に座り方をチェック
- 常に座り方を確認して、必要なら調整する(体調によって毎日変わります)
- 専門職に相談
- 医療や介護の専門職さんに適切な座り方について教えてもらう(食事の姿勢は摂食嚥下障害に詳しい方へ)
観察して気づいたことは、都度、連絡ノートに書いていました。
さいごに
でも、毎日一緒にいるからこそ、気づきにくいこともあるんです。父も母も話せなくなり、表情や動きで読みとる日々でしたが完璧にはできません。今の症状が病気の進行なのか、それとも廃用症候群なのか、お薬の影響なのか…考えられることがいっぱいありました。
この病気に詳しい人に出会えるとは限らないし、身近な専門職の人が嚥下障害に詳しいとも限らないんです。そんなとき私がしたのは、嚥下障害についての本を相談する人に見せて、一緒に考えてもらうことでした。
面白いのが、素人の私が提案してもスルーされることも、専門家(本)の提案なら聴く耳をもってくれることがあったんです(笑)。
これって、専門職と家族がお互いの知識を持ち寄って介護の質を上げるのに役立ったかな〜って思います♪
みなさんも、介護で悩んだり不安になったりしたら、ぜひ周りの人や専門職さんに相談してみてくださいね。きっと良い出会いがあることを願います。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう♪
コメント