こんにちは。要介護5の認知症の母を四姉妹で介護していた、三女のもよです。
先月、母が天国に旅立ちました。
最期はまるで線香花火の珠が輝きながら消えるよう。ほほえみを浮かべ、皆から「きれい」と言われる幕引きでした。
まるでドラマの主人公のよう。シナリオが備わっていたかのような3週間でした。
在宅介護の看取りまでの過程は千差万別。とはいえ、我が家の体験が、在宅介護をするご家族にとって、少しでも参考になるかも知れない。
そんな思いで、経過を「発熱」、「治療」、「看取り」の3本に分けて詳しくお伝えします。
この記事では、1週目「原因不明の発熱」について、全体感、毎日の記録、振り返りを書いていきます!
ナゾの発熱に右往左往
認知症で要介護5の母は、介護施設を退所してからずっと穏やかに過ごせていました。
訪問診療の先生からは、「奇跡です」と診察のたびに言われていました。
発熱や誤嚥性肺炎などが一度もなかったからです。
そんな母が、丸1年の記念日当日にナゾの発熱!
記念日の母の介護ノートには、姉がお祝いの言葉も書いていました。
「1周年だね」と姉妹で喜びあった矢先のこと。発熱を知ったのは、訪問看護の看護師さんからの電話でした。
その時の姉妹のLINEグループの会話はこちらです。(字が小さくてすみません!)
この出来事から、体温を上げ下げしながら、体調が急降下。
以下の症状が、次から次へと現れたのです。
- 発熱
- 尿量減少
- 尿の色が濃い
- 手足の拘縮がゆるむ
- 痰がらみ
- 嚥下状態悪化
- 便が硬くなる
誤嚥したのかな、尿路感染かな、他の感染性の何かかな…と、見えない敵をさぐる日々
母は認知症のため、「だるい」等の症状を口で表現することはできません。
表情から推察する限り、特に辛そうな様子はなく、ただ看護師さんと連携しながら見守るしかありません。
『母は「娘たちと1年過ごせたから、もう満足」と生きることを諦めたのでは…』と頭をよぎりました。
毎日の介護記録
ナゾの発熱とその他の症状がどのように現れたか、毎日の介護記録からたどります。
- 4/14(金)母が施設を退所して1周年記念日。初めての発熱
訪問看護の看護師さんから体温38.6度と報告あり。辛そうではなく肺音も異常なし。頭をアイスノンで冷やしたところすぐ下がる。
- 4/15(土)尿量が減り色が濃くなる。体温は上がったり下がったり
気分は悪くなさそうだが痰が出て、おむつに出る尿量が普段の半分以下になり、色が濃い。体温がまた上がり38.4度。週1回の訪問入浴は実施不可。
- 4/16(日)体温が38.8度に
尿は量が少なく濃い状態が継続。熱は37.5度。抗原検査キットの検査は陰性。もともと熱がこもりやすく平熱も高めなことと日曜でもあり、ひとまず様子見とした。
夕方から熱が上がり夜に38.8度。寒がる様子もなく、水分は口から取れている。看護師さんに電話で相談しながら、鼠径部や首に保冷剤をあてる等対応。カロナールは投与しなくても熱が下がった。
- 4/17(月)熱が完全に下がるが尿量が少なく色は濃い
平熱に下がり、食事もいつも通り。水分量もまずまず。ここ数日の発熱が信じられないほど元気に見えるが、尿は量が少なく濃いまま。
- 4/18(火)状況変わらず
- 4/19(水)状況変わらず
- 4/20(木)なぜか体が柔らかくなる
週1の理学療法士さん(PT)から、首の可動域が広がったと指摘あり。
枕との隙間がなくなりネッククッションが不要に。血圧に問題がなかったので起こしてもらい、背中を擦った。
三女もよ首だけでなく、足の拘縮もゆるんでいました。動かそうとすると、驚くほど膝の動きがよく、以前より可動域がぐっと広がっていました。
- 4/21(金)熱が再発。痰がらみが増え、便が硬めに
便はふだんは軟便か水様便だが、硬めになって有形に。熱は37.9度に。
美味しく水分をとってもらいたくて、経口補水液のアクアソリタゼリーを提供開始。
(以前は水分が不足気味でも脱水による大きなトラブルがなく、経口補水液は使っていませんでした)
- 4/22(土)熱は低めだが、嚥下状態が悪化。体は脱力が甚だしい。下肢にむくみ出る
水分・食事が進みにくく、嚥下状態が悪い。体も、いつもと違って脱力状態で、脚の拘縮も明らかにゆるんでグラグラに。足にむくみが出る。
- 4/23(日)嚥下状態悪く、便は兎糞状で石のように硬くカチカチに
水分量が430ccしかとれず。今まで少なくとも600ccは飲めていた。
1週目の振り返り
当時の様子を、姉妹で振り返ります。
私は、普段は実家と自宅を言ったり来たりしていましたが、この時期は、なるべく母のいる実家で過ごしていました。
夜は、次女ちゅうちゃんと交代で実家に宿泊していました。(以前からそうでしたが)
夜中に急変があっても気付けるように、神経を尖らせながら眠る日々・・・。
「何かあって気づけなくても、その時はその時!」と姉妹で割り切っていたのは心の救いでした。
緊張が続く中、訪問看護ステーションの看護師さんが「何かあったら夜中でも電話ください!しばらくの間、私が緊急電話を持ちますから」と力強く仰ったのが、どれだけ心強かったことか!
経口補水液のアクアソリタゼリーは、ツイッターで相互フォロワーさんが
「経口補水液の中ではとても美味しい」とオススメされていました。
離水するものの、少しのとろみ剤で調整できました。体調が悪い時に離水するものはよくないと思いつつも、美味しいものを口にしてほしかったです。
いつ最期の時がくるか分からない、という緊張感がありました。
「いつもと違う」と気づけたのは、毎日の介護記録をノートに記載していたことが大きい!
アナログではありますが、全関係者に書いてもらっていた貴重なツール。
支援者には連携ツール(電カルテ)があっても、家族は入れませんから。
嚥下状態が悪くなり、食事や水分の量が減ったときは、辛い気持ちになりました。
食事介助しながら、母を励ます声に力が入る日々でした。
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