進行性核上性麻痺だった父の転倒エピソード~娘の結婚式編

要介護5の在宅介護日記
長女ゆるねえ
長女ゆるねえ

こんにちは!四姉妹で要介護5の母を在宅介護している、長女のゆるねえです。

今回は、進行性核上麻痺という神経性の難病を患っていた父(2021年に他界)の話です。

父の病気が進行する中、家族が大いに悩んだことのひとつは、何といっても『転倒』です。

進行性核上性麻痺でも人によって症状は様々ですが、びっくりするような派手な転倒に悩まされた人は多いでしょう。

父のド派手な転倒ぶり

難病情報センターによると、進行性核上性麻痺の転倒に関する特徴は以下のとおりです。

1) 転びやすさと歩行障害・動作障害
転びやすくなったという症状で最初に気づかれることが多い疾患です。半数以上の人は、発症して1年以内に繰り返す転倒がみられます。姿勢が不安定になると共に、危険を察知する力が低下し、注意してもその場になると転倒してしまったりします。バランスを崩したときに手で防御する反応が起きず、顔面や頭部の怪我が多くなります。足がすくんで前に出にくくなったり(すくみ足)、歩行がだんだん速くなって止まれなくなる(加速歩行)といった歩行に関する変化もみられます。一見動かないようにみえて、唐突に立ち上がったりすることもあります。徐々に動作が緩慢になるとともに手足の関節が固くなり、進行すると寝たきりになります。

引用:難病情報センター

79歳から発症したうちの父の場合も、まさに転びやすくなり、上記のとおりの現象が起きてました。

ドーンっと後ろにひっくり返った事件は数えきれません。

おっとっと〜と、足で踏ん張ったり、どこかに掴まろうと手を動かす素振りは全くなし。

何回も言っちゃいますが、大木が倒れるように後ろにドーンです。

木こりが木を切り「木が倒れるぞー」と叫び、高木が倒れる映像を思い浮かべてください。その映像にそっくりな転び方でした。

また、転倒したら怖いからじっとしてようなんて考えはない父。骨が丈夫だったようで、骨折はしませんでした。倒れた時床に打つのは上半身からだったので、幸い出血多量の大けがにはなりませんでした。

でも硬膜外血腫になってしまったことがあります。

娘の結婚式に参列した父の大役は

転倒を繰り返していた父は、2016年1月に進行性核上性麻痺の確定診断を受けて、同年5月に要支援2の認定をもらっていました。当時81歳です。

いよいよ転倒が増えて介護認定も要介護2に変わる直前の同年11月、四女けろたんの結婚式がありました。

 

そうです。娘とバージンロードを歩くという大役です。

 

当日までの数日間、ほぼ毎日転倒が続いていて、たんこぶを何個も作っていた状況。

無事にこなせるか、家族にも緊張が走ります。

母(当時 認知症要介護5で特養に入所中)も、この日のために車椅子で外出しました。母の留袖は車椅子ユーザー用のレンタル品。

私と次女ちゅうちゃんと、三女もよは、女性控室で母の着付けや叔母たちの対応をしていました。その時、父のことは夫たちに任せていました。

 

でも夫たちと父がロビーで写真撮影していたとき、父がドーンと後ろに倒れてしまったのです!

控室から聞こえたざわつきに、何ごとかと駆けつけると、床に仰向けに倒れた父の姿が目に入りました。すぐさま助け起こすと、何事もなかったかのような表情の父。

夫たちにしてみると、最近までひとりで外出できていた父が、直立不動の写真撮影の時に後ろに倒れてしまうとはまさかの想定外だったのですね。

 

その後、娘とバージンロードを歩くことに何とか成功。

この結婚式場のバージンロードは、22段の階段を上ってから平坦な道でしたが、階段は父にとって厳しいので、途中の平坦なところから歩きました。

新婦けろたんによると、

四女けろたん
四女けろたん

「お父さんを支えながら歩こうと思ったけど、前にトトトトっとつんのめるように歩いていて、内心、待って!と思いながら、歩調合わせようと焦ったよ」

とのことでした。

その後、父から新郎にバトンタッチ。

けろたんの腕が離れたら、そのままゆっくりと後ろに倒木・・いや、倒れそうになってる父。

黒子のように父をマークしていた私は、新婦側の席から忍者のように数メートル走り、父の後ろに素早くまわり込み、そっと何事もなかったかのように支えました。(セーフ!心の声)

これから結婚式のクライマックスってときに主役の2人を差し置いて、父が転倒で主役になってはいけません。

この時父の転倒しそうな異変に気がついたのは前列者だけでありますように!と、願うばかりでした。

それなのにそれなのにです。いつもピッタリと横にいて軽く父の腕を持つ私の手を振り払おうとするのです。

結婚式の集合写真に、当時の様子が残ってました。

「父よ!結婚式なんだから我慢してそばにくっつかせて!主役は2人よ!」

と心の中で叫びました。披露宴後、出席者を見送る頃には、父は「手を離せ」と鬼のような顔で怒ってました。(怒りたかったのは私の方よ!心の声)

実はバージンロードを新婦と歩く時、結婚式のスタッフさんに、後ろに転倒するから支えてほしいと頼んであったのです。

でも最初の転倒で感じた、他者が想定する上をいく父の転びっぷりに、スタッフさんを信じられなくなっていたのですね。

私は父の後ろで待機しているスタッフさんの横からとっさに出しゃばって支えちゃったのです。スタッフさんはちゃんと支えようとしてくれていたのですが、支えようとする手がかなり下の方でした。

これでは転倒する様子が周りにばれてしまう。あの時は体が勝手に動いちゃって出しゃばった自分が恥ずかしかったのですが、今はあれでよかったと思ってます。アハハ

おわりに

四女けろたんの結婚式では、結局派手な転倒1回、ヒヤリとした場面は複数回、、、のドタバタでした。とはいえ、これは父の数多くの転倒エピソードの中のひとつです。

今回学んだことは、人に転倒リスクを伝えて任せる時は、どんな転びかたで、どの位置からどのように支えるか等、具体的に伝えないといけないと学んだ出来事でした。

結婚式が無事おわってから、父は急速に歩けなくなっていきました。結婚式のバージンロードを歩くという大役が、ぎりぎり間に合ってよかったです。

以上、「進行性核上性麻痺だった父の転倒エピソード~娘の結婚式編」でした。

長女ゆるねえ
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最後まで読んでいただきありがとうございました♪

 
当ブログでは、進行性核上性麻痺の父と、認知症の母の介護について参考情報を掲載しています。他の記事もご覧いただければ幸いです。

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コメント

  1. zihisyuppann より:

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      zihisyuppannさん、往復でポチっ、ありがとうございますー!(反応遅くなり申し訳ありません)

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